相場の動き

2012年という転換点|20年分の成約価格データで見る日本の不動産

国土交通省が2005年から公表している成約価格を全国分つなげると、2012年に明確な底があります。そこから何が起きたのかを、実際の数字で追います。

公開 2026-08-27

国土交通省が公表している不動産の成約価格は、2005年から積み上がっています。全国分をつなげて中古マンションの㎡単価中央値を並べると、はっきりした形が見えます。

全国の中古マンション㎡単価中央値

㎡単価㎡単価
200830.0万円201737.5万円
200930.0万円201838.7万円
201031.1万円201940.0万円
201130.0万円202042.2万円
201229.2万円202144.6万円
201330.5万円202248.0万円
201431.8万円202350.7万円
201533.3万円202453.3万円
201636.5万円202556.0万円

2012年の29.2万円が底です。 そこから2025年の56.0万円まで、13年間で1.9倍になりました。しかも一度も下がっていません。

3つの局面

データを見ると、この20年は3つに分かれます。

2008〜2012年:停滞。 リーマン・ショックの影響で30万円前後を横ばい、じりじりと下がって2012年に底を打ちます。

2013〜2019年:緩やかな回復。 年に1〜3万円ずつ、着実に戻していきます。2016年に36.5万円と、リーマン前の水準を明確に超えます。

2020〜2025年:加速。 ここから傾きが変わります。2019年の40.0万円から2025年の56.0万円まで、6年間で+40%。前半13年より後半6年の上昇幅のほうが大きくなっています。

2020年以降だけが特別

局面ごとの年平均の上昇幅を出すと、加速がはっきりします。

期間年あたりの上昇
2008〜2012−0.2万円/㎡(下落)
2013〜2019+1.6万円/㎡
2020〜2025+3.2万円/㎡

2020年以降のペースは、その前の7年間の2倍です。

一般に語られる要因としては、住宅ローン金利の低さが長く続いたこと、建築費と人件費の上昇が新築価格を押し上げ中古に需要が回ったこと、在宅時間が増えて住まいへの関心が高まったことなどが挙げられます。ただし当サイトのデータからは、何が起きたかは読み取れてもなぜ起きたかは断定できません。ここは推測として読んでください。

上がったのはマンションだけ

同じ期間の一戸建てと土地はこうです。

マンション一戸建て土地
201229.2万円/㎡13.3万円/㎡3.9万円/㎡
202556.0万円/㎡12.9万円/㎡4.6万円/㎡
変化+92%−3%+18%

2012年の底から13年で、マンションは倍近くになり、一戸建てはむしろ下がっています。 「2012年が不動産の転換点だった」と言えるのは、マンションについてだけです。

詳しくは上がったのはマンションだけに書いています。

この20年を自分の判断にどう使うか

過去の上昇率を将来に伸ばさないでください。 13年連続で上がったという事実は、14年目も上がることを意味しません。2008年から2012年までの5年間は下がっていました。

局面が変わっていることに注意してください。 2020年以降のペースはそれ以前の2倍です。この水準が続く前提で計算すると、前提が外れたときの誤差も2倍になります。

そして、この数字は全国の中央値です。 人口が増えている地域と減っている地域では、同じ13年でもまったく違う結果になっています。当サイトの各市区町村ページには、その地域の20年分の推移と、2040年までの人口推計を並べて置いています。価格の推移と人口の推移を一緒に見てください。

まとめ

  • 全国の中古マンション㎡単価は2012年(29.2万円/㎡)が底
  • そこから2025年(56.0万円/㎡)まで13年連続で上昇、1.9倍
  • 2020年以降の上昇ペースはそれ以前の2倍
  • ただし上がったのはマンションだけ。同じ期間に一戸建ては−3%
  • 全国の数字であり、地域差は非常に大きい

地域ごとの20年推移は各市区町村のページで確認できます。