データの読み方
面積が小さいほど㎡単価が高くなる理由|単価で比べるときの落とし穴
同じマンションでも、30㎡の住戸と80㎡の住戸では㎡単価が違います。この性質を知らずに単価を掛け算すると、価格を大きく見誤ります。
公開 2026-08-26
㎡単価は便利な指標です。面積の違う物件を同じ土俵で比べられます。
ただし、ひとつ知っておくべき性質があります。面積が小さいほど、㎡単価は高くなる傾向があるということです。
なぜそうなるのか
理由は単純で、面積に比例しない費用があるからです。
キッチン、浴室、洗面台、トイレ、給湯器、玄関ドア、電気の引き込み。これらは30㎡の住戸にも80㎡の住戸にも1セット必要です。数を減らすことはできません。
30㎡の住戸では、この固定的な費用を30㎡で割ることになります。80㎡なら80㎡で割れます。当然、㎡あたりの負担は小さい住戸のほうが重くなります。
土地でも似たことが起きます。上下水道の引き込み、造成、道路への接続といった費用は、土地の広さにあまり比例しません。だから小さく分割された宅地ほど、㎡単価は高くなります。分譲会社が大きな土地を分割して売るのは、これが理由のひとつです。
需要側の事情もあります。総額が抑えられる小さい住戸は、買える人の数が多くなります。同じ地域で1億円の住戸を買える人より、4,000万円の住戸を買える人のほうがはるかに多い。この需要の厚みが、小さい住戸の単価を支えます。
何を間違えるか
この性質を知らないと、こういう計算をしてしまいます。
この地域の中古マンションの㎡単価は100万円。 うちは90㎡だから、9,000万円くらいか。
地域の中央値が50〜60㎡の住戸を中心に算出されていた場合、この計算は高すぎます。90㎡の住戸の㎡単価は、それより低いのが普通だからです。
逆に、25㎡のワンルームを地域の中央値で計算すると、安すぎる答えが出ます。
㎡単価は、面積帯を揃えなければ掛け算に使えません。
当サイトでの対応
だから当サイトでは、市区町村ごとに面積別の㎡単価を出しています。
| 区分 |
|---|
| 40㎡未満 |
| 40〜60㎡ |
| 60〜80㎡ |
| 80〜100㎡ |
| 100㎡以上 |
自分の物件に近い区分の中央値を見てください。市区町村全体の中央値ではなく、この表の数字を掛け算に使うのが正しい使い方です。
同時に、取引価格の中央値も区分ごとに出しています。単価から逆算するより、その面積帯の総額を直接見たほうが早いこともあります。
例外もある
「小さいほど単価が高い」は傾向であって、常に成り立つわけではありません。
高級物件の多い地域では逆転します。 100㎡を超える住戸が広さそのものを売りにしている場合、階数・眺望・仕様のグレードが上がり、単価も上がります。都心の一部ではこの逆転が起きます。
築年数と面積が相関している場合。 古いマンションほど住戸が広い、あるいは狭い、という地域があります。この場合、面積別の表に見えている差は、築年数の差かもしれません。築年数別の表と見比べてください。
間取りの効率。 同じ70㎡でも、廊下が長い間取りと効率的な間取りでは実用面積が違います。これは単価には現れません。
使う手順
自分の物件を評価するなら、こうなります。
- 市区町村ページで、その地域全体の水準を確認する
- 面積別の表で、自分の面積帯の中央値を見る
- 築年数別の表で、自分の築年数帯の中央値を見る
- 2と3がどちらも地域全体より高い(低い)なら、その方向に寄せて考える
- 各区分の件数を確認する。少なければ幅として受け取る
築年数と面積を同時に絞り込んだ数字は出していません。区分を細かくすると件数が足りなくなり、中央値が不安定になるためです。2つの表を別々に見て、その両方から判断してください。
まとめ
- 面積に比例しない設備費があるため、小さい住戸ほど㎡単価は高くなりやすい
- 総額が抑えられる分、買い手の数が多いことも単価を支える
- 地域全体の㎡単価を自分の面積に掛けると、大きく外れる
- 面積別の表から、自分の面積帯の数字を使う
面積別・築年数別の単価は、各市区町村の物件種別ページに掲載しています。