基礎知識

マンションの面積は2種類ある|壁芯と内法、住宅ローン控除の落とし穴

広告に載っている専有面積と、登記簿の面積は一致しません。数㎡の差ですが、住宅ローン控除の50㎡要件で対象外になることがあります。

公開 2026-08-26

マンションのチラシに「専有面積 51.20㎡」と書いてあったのに、登記簿を見たら48.90㎡だった。よくある話です。

どちらかが間違っているわけではありません。測り方が2種類あるのです。

壁芯面積と内法面積

壁芯(へきしん)面積は、壁の中心線で囲んだ面積です。建築基準法で使われる測り方で、建築確認申請もこれで出します。

内法(うちのり)面積は、壁の内側の線で囲んだ面積です。実際に人が使える広さに近い数字です。

壁には厚みがあるので、壁芯面積のほうが必ず大きくなります。差は一般的な間取りで2〜5%程度、70㎡の住戸なら2〜3㎡ほどです。

どちらがどこで使われるか

場面使われる面積
販売パンフレット・広告の「専有面積」壁芯
マンションの登記簿内法
一戸建ての登記簿壁芯
建築確認申請壁芯
固定資産税の課税床面積内法+共用部分の按分

ややこしいのは、マンションと一戸建てで登記簿の測り方が逆になっていることです。区分所有建物(マンション)だけが内法で登記されます。

50㎡の壁

この差が実害になるのが、住宅ローン控除です。

住宅ローン控除には床面積の要件があり、この床面積は登記簿上の面積で判定されます。マンションなら内法面積です。

つまり、広告に「専有面積 50.5㎡」と書いてある物件でも、登記簿では49.2㎡になっていて、要件を満たさないことがあります。

広告面積が50㎡台前半のマンションは、この境界に落ちる可能性があります。購入前に必ず登記簿の面積を確認してください。不動産会社に「登記簿面積は何㎡ですか」と聞けば教えてくれます。

同じことは、不動産取得税や登録免許税の軽減措置、すまい給付金など、床面積で線を引く制度すべてに当てはまります。

中古の売買で気をつけること

中古マンションの広告に載っている専有面積は、新築時のパンフレットの数字(壁芯)をそのまま使っていることも、登記簿の数字(内法)を使っていることもあります。表示の根拠が統一されていません。

そのため、2つの中古物件を㎡単価で比べるときに、片方が壁芯・もう片方が内法だと、実際より2〜5%ずれた比較をしてしまいます。

このサイトのデータではどうなっているか

当サイトが使っている国土交通省の取引価格データでは、中古マンションの面積は専有面積として提供されています。壁芯か内法かは取引ごとの申告に依存するため、統一されているとは限りません。

さらに元データの段階で面積が丸められているため、数㎡単位の精度はもともとありません。地域の水準を比べる目的では十分ですが、個別物件の㎡単価を1%の精度で議論する用途には向きません。

このことを踏まえると、当サイトの数字は次のように使うのが適切です。

  • 地域間・条件間の比較には使える
  • 自分の物件の価格を1㎡単位で計算する用途には使えない

まとめ

  • 壁芯面積(壁の中心)と内法面積(壁の内側)があり、壁芯のほうが2〜5%大きい
  • 広告の専有面積は壁芯、マンションの登記簿は内法。一戸建ての登記簿は壁芯
  • 住宅ローン控除の面積要件は登記簿面積で判定される。広告50㎡台前半は要確認
  • 中古の広告面積は根拠が統一されていないので、㎡単価の比較には誤差が乗る

面積別の単価は各市区町村ページの「面積別の単価」に掲載しています。